平成27年3月15日(日)、50名の参加者を集め、高松市かがわ総合リハビリテーション福祉センターを会場にITを活用した在宅就労セミナーが開かれました。
参加者は熱心に在宅就労について各団体の取り組みに熱心に耳を傾けていました。

開会の挨拶をする小島センター長
小島正平センター長

はじめに、かがわ総合リハビリセンター福祉センター長 小島 正平氏より開会の挨拶があり、障害者は、高い能力を持ち意欲的であること、働くことは人間が生きる上で重要な役割を占める。

現状では、能力があっても在宅就労につなげるのは困難な状況にあり、この状況を打開するために各支援施設と連携をとって取り組んでいる。

この機会に在宅就労について考えていきたいとの挨拶がありました。

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沖ワークウェル社長津田貴氏
津田取締役代表

引き続き、「障がい者在宅雇用への挑戦 19年の歩みとこれから」と題し株式会社沖ワークウェル取締役代表 津田 貴氏より基調講演がありました。

同社は、1996年に社会貢献推進室を立ち上げ1998年に在宅雇用を開始しました。

同社は沖電気工業株式会社の特例子会社であり、従業員73名中62名が障害を持った社員であり41名が在宅勤務です。社員の半数以上が在宅勤務という特異性を持った企業です。在宅勤務社員は東京中心に就労していますが、鹿児島・宮崎・香川など全国に渡っています。
同社の業務内容は、ウェブページ作成・ウェブアプリケーション開発・業務システムを使った事務処理・冊子類の作成編集・デザイン・名刺作成・重度身障者のためリモート技術をつかってのパソコン指導を行っています。

ネット配信中の様子
ネット配信の様子

また、同社は、社員間のコミュニケーションを重視しWWCシステム(ワーク・ウェル・コミュニケータ)やVOS(ヴァーチャル・オフィス・システム)を使い本社間と緊密な連絡を取り合っています。このシステムを使うことであたかもオフィスに出勤している感覚で業務を進めています。年2回の懇親会も重要なコミュニケーションの場となっています。

社員の健康管理面でも気を遣っており、通院・ヘルパー利用による勤務時間変更などにも余裕を持って対応しています。

最後に香川県三豊郡で在宅就労をしている社員によるWWCシステム(ワーク・ウェル・コミュニケータ)のデモンストレーションがあり、その効率のよいシステムには来場者の注目を集めました。
今後このシステムを全国の支援学校に導入することで学校間のとコミニケーションがはかれ、先生も全国の専門家(地元だけではなく)と連携が取りやすくなり負担が楽になる。企業側もスキルの高い生徒を採用できるようになるとの将来への抱負を語られました。

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実践報告パネラー

続いて実践報告に入り、かがわ総合リハビリテーション福祉センターより六車 浩氏 、NPO法人サスケ工房より白石 光廣理事長・加藤 徹支援員・高橋 一晃氏、NPO法人ぶーシステムより川崎 壽洋理事長、株式会社沖ワークウェルより基調講演にたった津田 貴取締役社長が参加しそれぞれの活動報告がありました。

先だって、かがわ総合リハビリテーション福祉センター篠原 智代コーディネーターより在宅就労への取り組みの説明がありました。

篠原智代氏
篠原智代コーディネーター(写真右)

平成22年度よりITを活用した在宅就労支援に取り組んでいる。対象は、県内在住の18歳以上の四肢障がい者で在宅ワーカー登録試験に合格した人、または在宅就労訓練を受けた方人で、その後在宅ワーカー登録をした人。4年間取り組んできた中での問題点は、障害が重くなるに従い就労の機会が制限される点。

受け皿となる企業では、働く重度障害者が身近にいないため、認知度が少なく十分対応ができないのが現状です。また、在宅就労者のニーズが届いていないとの報告がありました。
かがわ総合リハビリセンターは就職の紹介・斡旋ではなく、地域事業所とタッグを組み共に対応しているとセンターの趣旨を述べられました。

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企業説明をする白石理事長
白石光廣理事長(写真左)

NPO法人サスケ工房白石理事長より3つの専門技術サービス事業の紹介がありました。
まず株式会社白石設計は、1997年創立社員数は50名。介護支援サービスを主業務とする株式会社サスケ平成23年創設、昨年9月にサービス付き高齢者向け住宅「楽都」を四国中央市に設置しました。NPO法人サスケ工房は平成24年創設し現在新居浜・西条・板野に事業所を展開し職員を併せ95名の体制となっています。

株式会社白石設計創設時から「共存共栄」を理念に事業を進めてきたが、併せて3つの仕事を合わせて「仕合わせ(幸せ)」を念頭に多くの人に「ありがとう」を発信できる専門技術サービス集団になりたいとの将来へのビジョンを語られました。

加藤哲支援員
加藤徹支援員(写真右)

引き続き加藤 徹支援員よりかがわ総合リハビリテーション福祉センターで開かれたCAD講習会の説明があり、スカイプ・リモートシステムを使ったCAD指導の様子、講習風景・修了証書授与式など講習会の様子をスライドショーを交えての報告がありました。

この中で、障害者の能力と仕事に対する意識の高さを強調され、まだ就労につながっていない障がいを持った人たちへのメッセージを運ぶことの重要性を熱心に話されました。
連携とフォローがサスケ工房の強みであり、アートなど文化的な仕事も行っているとの説明もなされました。「香川にもサスケ工房を・・・!」の理想でがんばっています。

高橋一晃氏
高橋一晃氏

最後にサスケ工房社員の高橋 一晃氏よりサスケ工房との出会いと、仕事への取り組み方、現在の気持ちなど体験の報告がありました。

高橋さんは、かがわ総合リハビリセンター在宅就労講習会を受講中にサスケ工房と出会い、香川県では初めてのサスケ工房在宅就労社員となりました。自分のペースで仕事ができスカイプなどネットワーク機器を利用し細かな指導を受けることができます。

月に一度は西条事業所に出向き、不明な点を専門担当者に聞くことができます。また精神面でもサポートを受けることができ安心して仕事に取り組むことができます。一般就労とは違い通勤がなく体調管理もしやすく気持ちよく仕事に取り組むことができます。など在宅就労を通しての実践報告がありました。

仲間もたくさんいるのでそれぞれに合わせた就労形態を目指し、また後から続く仲間にアドバイスできるように頑張っていきたいとの抱負を話されました。


川崎壽洋氏
川崎壽洋理事長

実践報告の最後として、NPO法人ぶーシステム理事長 川崎 壽洋(としひろ)理事長 より業務活動内容に関する報告がありました。

NPO法人ぶーシステムは、(Boundary Unfenced)バンダリイ・アンフェンスド(垣根をとる)との意味を持ちパソコンを使った就労支援業務を主に行っています。
1997年に活動を開始2000年に法人格を取得し、2005年からマイクロソフトオフィスの研修を行い研修で技術を身につけ在宅就労を行っています。

ぶーシステムの特徴としては障害者が主体となって事業を始めている。通常は企業が事業所を設置しているが、同団体は在宅就労支援をしていた団体が立ち上げたA型事業所でパソコンを使った仕事をしているのが特徴です。現在23名が就労し、内13名が在宅就労です。

業務内容は、ITに関すること全般でサイト作成・動画編集・業務プログラム開発・障害者高齢者を対象としたパソコン講習会講師派遣業務・データ入力を行っています。

2014年(平成25年)障害者就労施設等が供給する物品等に対する需要の増進を図る目的で、障害者優先調達法が施行されそれに伴う形で愛媛県共同受注窓口となり各障害者団体とタッグを組み広く活動しています。2015年には、愛媛県地方紙南海新聞賞を受賞しました。

課題として、スキルは高いが安定して働けない。民間企業と同じように品質・納期を守ってほしいとの要望がありますがチームで作業することと品質面でも一般民間企業に引けを取らない商品納品との形で、徐々にに認められています。

「CMSやさしい」を使ったサイト作成(埼玉県の例)・3Dプリンタデータの作成など事例紹介がありました。社会経験がない人も多く、苦手な仕事は無理せず助け合いながら仕事をしていとの方針で実績を積んでいます。

最後に障害を持って働くみんなの収入を上げて欲しい、また可能な人は一般就労につなげて欲しいとのご自身の希望を語られました。


質疑応答
質疑応答の様子

各団体の実践報告の後、質疑応答が行われ参加者よりパネラーに対して、労務管理・社員の健康管理・支援学校との連携方法、体験就労・今後のイベントなど様々な質問があり定刻を超えるセミナーとなりました。